13週:エコー検査①と出生前診断

ネウボラは基本的に看護師であるネウボラおばさんと会う場所である。
エコー検査を行うのは資格のある専門検査医もしくは医師のみなので、検査の際はネウボラとは別の、市内の産院へ出向くことになった。検査の日取りは一週間ほど前に自宅に手紙で「13週と20週に当たるこの日のこの時間に病院に来てね」と召喚状のようなものが届いただけで決まった。もちろん平日昼間、都合を聞かれることもなし。大腸内視鏡検査のときと同様、仕事で忙しかったらどうするんだろうと毎度のことのように思うけど、病院より優先される仕事などこの国にはないのだろう。
ちなみに産院はヘルシンキ市内に2軒、隣のエスポー市に1軒あり、実際に産む時はその3つの中から選べるようになっている。選ぶといってもどの産院もほぼ同じ設備で、日本のようにここは麻酔医が常駐してないとかそういう差はないのでどこでもいいのだけど、とりあえず最寄りの産院を選んでおいた。しかし陣痛が始まった段階で病院に電話して、既にベッドが埋まっていたら他の病院に行くよう支持されることもあるらしい。

エコー検査に先立って11週頃、産院とは別のラボラトリーに出向き尿検査と血液検査を行なった。これはあらかじめネウボラを通して予約した日に行って尿検査のサンプルを収め血液を抜いてもらうだけ、30分もかからないが妊娠して初めての検査らしい検査がこれだった。ネウボラでは尿検査さえなかったので妊娠しているか確信もないままだったが、このラボラトリーでの検査はいきなり出生前検査も兼ねているらしい。とはいえ結果はエコー検査の結果と併せて、大きな異常があれば電話がかかってくるというだけ。この時点でまだ妊娠の真偽不明。親にも誰にもいえない状態である。

そしてエコー検査は、自宅で妊娠が発覚してから実に2ヶ月後に行われた。
この2ヶ月間、一応寿司やスモークサーモンなどのなま物などを避けている状態だったので、「これで本当は妊娠してないとかだったら速攻寿司食べ放題に行く」と毎日のように夫に訴えてた。ちょうどホリデーシーズンを挟んでいて夫の実家に帰ったりしていたので、妊娠しているかもしれないことを隠しつつ、つわりの吐き気も抑えてコーヒーを飲むふりをしたり、好物のスモークサーモンを避けたりするのはそれだけ大変だったのだ。
しかしそんな食い時を吹き飛ばすように、エコー検査では子供の姿をしっかりと見ることができた。13週ということで、まだエイリアンのような見た目かもなぁとか色々心の準備をして臨んだのだけど、意外にも人間の形でほっとする。同行していた夫は(彼は平日昼間のネウボラ訪問にも全出席している)とても純粋な人なので感動で早くも涙ぐんでいたけれど、私自身はああこれでようやく妊娠確定だ、とまだ原点に立ったまま、なんとなく膨らんで来たお腹が太った訳ではないようでよかった、などと考えていた。
ちなみに診てくれた専門のエコー検査医は、毎日毎日検査ばかりしているだろうに、「まあ可愛らしい頭」とか「美しい形の脳ね」「完璧な背骨だわ」などと白黒のスクリーンの中の生き物をことごとく褒めまくり、それにもびっくりした。
日本だと毎回エコー検査が受けられるようだけど、この辺の対応はどうなのだろう。日本で出産した友人からは、医師も慣れているので流れ作業でなんの感慨もないなどと聞いたことがあるけれど、妊婦である私自身ももし毎月エコー検査があったら飽きてしまうかもしれない。逆にフィンランドの検査では少ない回数だからこそ検査医の対応もサービス精神旺盛なのかもしれない。そう思うとエコー、2回だけで別にいいじゃん、と考えられるようになった。

検査の翌々日、自宅に封書が届いた。「検査の結果、異常は見られませんでした」というあっさりとした内容だったけれど、フィンランドのサービス、そして郵送事情にしては早い対応に驚かされた。
また検査結果が出たら親に報告しようと夫婦で決めていたので、ようやくここで情報解禁。間も無く私たちはフィンランド版孫フィーバーを見ることになるのだが、これはまた別の項で。

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