フィンランドで大腸内視鏡検査してきたよ!

2014年に日本で大腸内視鏡検査でポリープが見つかり切除手術する、という事態に陥った。
当時よそで公開していた体験記を掘り出したので、せっかくだからこっちにコピーして公開しておいた。
というのも最近になって、再度大腸内視鏡検査をよりによってフィンランドで受けたからだ。

そもそも、だ。2014年に切除したポリープは、その後の正検で癌ではないとわかったものの医師によると「ほっておいたら癌になってた」というレベルのもので、「若いうちにポリープできるのはまれだから今後注意して一年後にまた検査を受けるように」と言われていた。
それを一年後の2015年、ちょうど転居やらなんやらで忙しくて、なおかつフィンランドに引っ越したばかりで保険証もなく、なんだかんだで検査を先延ばしにしていたのだ。
そうしてようやく2016年になってから、まずは地域の健康センターへ出向き、状況を説明し、ようやく隣の市にあるでっかい病院の予約を3ヶ月後に取ることができた。

ちなみに予約の経緯はこうだ。
地域の健康センターで医師に相談。「私はそっちの分野はよくわからないから専用の医者に聞いてみる、わかったら電話する」と言われる。
しかしその翌日から私は国外へ旅行に出てしまったため電話が取れない状態だった。そしてしばらくすると自宅に書類が送られてくる。9月のこの日のこの時間、隣の市で予約したから来てね、下剤飲んでおなかからっぽにしてね、と。
日にちの希望とかなんもなしかい、と確認の電話をする。
日本で内視鏡検査を受けたときは下剤の影響で吐いて、かなりよれよれの状態で病院にたどり着いたので、隣の市のしかも郊外までバスを乗り継いでいかなければいけないというだけで気が遠くなる。できれば近場の、せめて同じ市内の病院にしてほしい。
すると、今から予約を取り直すと更にまた待たなければならず、市内となると更に難しいと言われ、仕方なくもとの予約内容に従うことに。何年も待って癌でした、ってなったら嫌だし。

そしていざ、検査の日が近づいて来た。
まずは一週間前に血液検査に行く。これは家からも近い市街地にて。予約もなしにふらっと行って、順番カードをとって、保険証的カードを見せて血を抜いてもらうだけ。
それと同時に始まった食事制限。
日本では、検査の三日前から食物繊維やごまなどはさけるようにと言われていたが、フィンランドでは一週間前からトマトもキュウリもベリーもだめ。更に穀物系がアウトで、黒いパンやオート麦のパンを普段食べている私はしかたなく白米か滅多に買わない白いトーストを食べることに。
ちなみに海草類も言及されてはいなかったけど避ける(わかめ食べるな、とか普通フィンランド人に言う必要ないもんね)。なのでうどんは素うどん。
日本人って普段から食べ慣れているから食物繊維がそんなに残らないんじゃないかと疑いはしたけど、とりあえず素直にしたがっておく。
そして検査前日は14時を過ぎたらほぼ食べちゃだめ。
食べていいのは白米か白いトーストか、具のないスープか、粒入りじゃないジュースかコーヒー、紅茶、ミルクなし。
これも日本の場合は前日21時までは食べて大丈夫ということだったので、そんな厳しくなくていいだろうと思うが、一応従う。翌日に下剤で大変な思いをするのもいやなので。
なので最後の食事は14時にして、そのあとは空腹感を満たす為だけにスープとトーストをかじった。

そして検査当日は朝5時に起きて、下剤を飲む。
病院から指定された薬は3種類。薬局で、安くて飲みやすいやつはどれ?と聞いて教えてもらったものを購入済み。
しかし「飲みやすい」が何をさすか、未だに疑問である。
じつは薬の購入時に紆余曲折があって、最初は指定された薬を薬局に買いにいき、お薦めされ手渡された商品をそのまま購入した。粉末状の薬を一瓶。しかし検査の前日になって使用法をじっくり読むと、その粉末を1リットルの水に溶かして、4〜6リットル分飲めと書かれている…!
つまり最低4瓶は必要。それに気付いたのは日曜日、検査は月曜日。慌てて24時間空いている薬局へ買い足しに行くも、そもそもフィンランド人の基準で4リットル必要なら私はそんなに必要ないのでは?とふと思い当たる。夫も同じことを考えナースである義母に相談したところ、やはり私のサイズ(身長159センチ)では3本で大丈夫だと思うということで、2本だけ買い足すことにした。
それにしても、3リットル。よく日本の大腸内視鏡検査レポートを読むと「1,8リットルの下剤の洗礼を受けた」だの書いてあるが、そんなの甘い。3リットルなんて水を飲み干すだけで大変だ。しかも1リットルは1時間以内に飲み干せという。
他の薬だったらもしかして少ない量で済んだんじゃ?ひょっとしたら飲みやすい=効き目がマイルド、と薬局の人は勘違いして薦めてくれたんじゃ、などと不安になってくるが、もう買ってしまったものはしょうがない。これを飲むしかないのだ。
そして口に含んでみた下剤は、驚くほど無味だった。日本で私が選んだ下剤は梅味という、ちょっとしょっぱい小梅ちゃんキャンディみたいな味がついていたが、これは無味。なんだいける、とぐびっと飲み干すと、すんごい不快感が胃から競り上がって来た。
後味わる!!
というか、後味は日本で飲んだものとまったくといっていいほど同じだった。日本のは梅味でごまかしてるだけで基本の成分は同じなのかもしれない。
そうして口の中が過去を思い出すと自然とやってくる嘔吐感。。。
ただし今回は薬局で薬を買い足したときに薬剤師が教えてくれたアドバイスに従って、砂糖水というか自家製生理食塩水を用意しておいた。要はぽかりである。脱水症状になりやすいのとエネルギーを補うという意味で薦められたそれを、私は下剤の後味を消すのに使い、薬をあおる→ぽかり口に含む、を繰り返し、なんとか嘔吐感を押さえ込んだ。ついでに薬にレモンを混ぜてもいいとのことだったので、ここぞとばかりに混ぜておいた。

その後の詳細は避けるが、まあやはり3リットルでよい結果を得て、あとは検査予約の入っている午後一番まで休息、気を失ったように寝た。
そして病院へ出向く。前回急に入院になった経験から、コンタクトレンズケースと眼鏡と着替えと、検査が終わったらすぐに食べられるようにバナナをバッグに突っ込み、夫に病院まで送ってもらった。

病院へ着くと、まず大きい病院なので迷う。
インフォメーションで聞くと、担当の彼女はなぜか私の持参した予約詳細の書類をチェックし、「床に黄色い線があるでしょ?それについていって5番の部屋で待って」と言う。
日本みたいに問診票かいたり受付があったりとかはないんかなーと思いつつ、床に貼られた黄色いテープを追うと無事私が行くべき部署へたどり着けた。いいシステムだ。右いけとかどこそこで曲がれとか説明されるより簡単。
そして5番の部屋で座る間もなく、ナースが私を待ち構えていて「●●(=苗字)さん?こっちで着替えて、荷物はここに置いて」とテキパキと指示される。保険証カードの確認やIDの確認、一切なし。そりゃあ私は明らかなガイジン顔だから、ナースが既に下の名前が変だとチェックしていれば「あ、アジア人来た、あいつに違いない」と判別できるのだろうし、きっとインフォメーションで見せた書類に社会保障番号が載っているからそこでチェックイン済みなのだと思うのだけれど、そんな簡単な管理で大丈夫か、とちょっと不安にもなる。スムーズでいいんだけどさ。
まあとりあえず、そこからは着替えて、ロッカーに荷物を慌ただしく入れて、検査室へ向かう。
日本ではこの間に腸管の動きを止める点滴とかあったんだけど、そういうの一切なし。検査室へも徒歩で入る。
日本で取ったポリープの写真と手術記録があったので一応持参したけど、年配の先生はちらっと見ただけで終わる。しかし年配で安心したことも書いておこう。若くてヘタだったらいやだな、と思っていたので。

ちなみに、日本での検査はまったく痛みがなかった。
麻酔は打たれなかったので自分の腸の中もしっかり見れて、なんだ内視鏡検査簡単じゃん、と思ったのを覚えている。
そして多くのフィンランド人がいうところによると、フィンランドの医療技術は世界でも高い水準、なのだそうだ。
ベッカムが脚の手術しにわざわざやってきた、とかそういう逸話をよく披露されるんだけど、それ外科手術じゃん、的なね…。でもフィンランド人によると、何も心配することはない、と。そこは同意。

そしてもう一つ言っておきたいのは、私は本来痛みに強い方だと思う。
打撲系の痛みは慣れているし、昔結構な傷を負ったのでそっち系も大丈夫、我慢強い方だと思っていた。

とわざわざ書くのは他でもない、フィンランドでの検査がくっそ痛かったからです。
いやあもう。痛みで叫んだのは生まれて初めてだ。
最初は違和感から始まって、うっとかうめいて顔を歪める程度だったんだけど、それがうあああ!になり、看護師に押さえつけられる始末。
彼らの言い分によると「あなたの腸は長い」「そして狭いのでどうしても痛みが生じてしまう」とのこと。
これはもちろん日本でも起こりうることで、やはり他の方の体験記を見ていると同じような経験をお持ちの方がいるので、まあ日本での1回目がよっぽど運良くうまい医者にあたったんだろうな、と思うことにする。
というわけで、叫び、押さえつけられ、「普通に息して!深呼吸!」「目は開けて!」とナース二人に励まされ、30分にも渡る検査は終わった。
そしてその痛みに耐えている最中、見てしまったんですよ。検査台っていうんですかね、あのベッドに「JAPAN 1965」と刻印されているのを……。
最初はわー日本製なんだーとかのんきに安心しようと思ったけど、ん?1965年って!!!50年前やんけ!
もしカメラがそのぐらい年期入ってたら?と疑問に思い始めたら(もちろんそんなわけはない)痛みが倍増で、ものすごく不安になった。
親しい友人の一部は私のことをMではないかと疑っているけれど、違うよ!私絶対Mじゃないと!と心の中で叫んで痛みを紛らわせたりもした。

しかしそうやって耐えた甲斐もあり、今回の検査では何も見つからず、もう毎年検査を受けることもないよ、数年後でいいよとお言葉をいただき、そのまま帰っていいとのことだったのでさっさと着替えて出て来た。検査中モニターでも確認したけど腸の中、綺麗だったし。

あとになって、腸が長いってどういうことだろう?だから私は相当量食べられるのか?とふと気になって思い調べてみると、確かに日本人はアメリカ人よりちょっと長い、とか統計があるらしいけれど、だいたいそれは「ヘタな検査医の言い逃れ常套句」だの書かれていて、またまた不安倍増。
結論、今のところ次回の検査は日本で受けようと思っている。
が念のためフィンランドの名誉の為に言っておく、、冒頭で「よりによってフィンランドで」と書いたのは、よりによって私が現地語を満足に話せないフィンランドで、という意味である。医療レベルに関しては、私自身は「まだ」そこまで疑心に満ちているわけではない。

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